宮澤 喜一 (2007/06/28 最終更新)
私はどうも頭の出来が悪いとみえて、
どうしてもあのマルクスの言っていることはわからなくて、
ついに心酔するに至りませんでした。
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我妻さんの『民法講義』というのは、えらいものだと、
最後まで思いましたね。
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若いときに勉強しろということの意味は、
若いときでないと覚えられないことがたくさんあるんですね。
殊に古典なんていうのは、
一度読むと覚えてしまうくらいで、
若いときに勉強しないと、
時期を逃すということがありますね。
〜 『宮澤喜一回顧録』 〜
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私は、エコノミックアニマルと言った人は
日本の悪口を言ったつもりじゃなかったと思うんですけども、
日本人の側に後ろめたさのようなものがあるものだから、
何となくそれは痛烈な批判に聞こえたわけです。
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サミットなんかで、中心は経済の話なんですけども、
やっぱりメシになったりすると
軍事情勢になったりいたしますよね。
日本の総理大臣というのはほとんど
発言をすることがございませんね。
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非関税障壁という考え方は、
確かにガットで何度も議論しておりましたから、
そういう考え方は本来本格的な問題ではあるんですけれども、
これはだんだん詰めていきますと、
おのおの国のあり方のところまでいくわけですね。
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アメリカという国は、
なにしろ外交政策は若いものですから、
どうしたって人を善玉と悪玉に分けたがる癖が、
かなり強いですね。
〜 『美しい日本への挑戦』(高坂正堯との共著) 〜
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違和感はあったが、
一方でそれが国民生活なり国の考え方を規制するとともに、
他方で我々が憲法というものを育て、
使い込んでいった部分があると思うんですね
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裁判所が判例によってこの憲法を、
我々の納得がいきやすいものにしたことです
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変えるための国民的なエネルギーを思うと、
そういう努力はあまり有益ではないという気がする。
つまり、
改正のためのコストを払って得るベネフィット(利益)は、
実はそれほどないんじゃないか。
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私など、
それだけのことをする値打ちがはたしてあるのか
と思っている
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自分たちの憲法ですから、
変えられないわけはなにもないけれども、
全体をそう窮屈に、
規範的に考えなくてもよいと思いますね
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我々のできる限界を明らかにしたわけです。
恐らく世界には、
日本がそういう憲法を持った国だというのを
初めて知った人たちが多いのではないでしょうか
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国連が決議したら、
日本は外国で武力行使をしていいのか。
残念ながら私は、
今の国連にそれだけの信用を寄せ、
権威を認めることはできないと思う。
だから、
集団安全保障と言われても、
日本自身の自衛の問題としてとらえないと、
どこで何をするのか、
とめどもなくなる心配がやっぱりあります
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私は、やっぱり、
同質性の高い民族が長い間一緒に暮らし、
運命を共にしている連帯でいいのではないかと思います。
それはいい悪いというより、
そうだから、
そういう連帯があるんですね
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私は昔から
市民という言葉にフランス革命的なものがある、
という気がしています。
日本で市民、市民と言うと、
何となく民族とか歴史の運命共同体を
ちょっとはずそうとしているなと思う。
あえてポピュリズムとは言いませんけどね(笑い)、
ややそっちの方にね……。
だから、
市民という言葉は
私もあまり使いたくない
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冷静に考えれば大した改正じゃなかった。
それなのに、
安保がああいう大きな騒動になったのは、
その前から警職法改正の騒ぎがあって、
岸さんによる一種の戦前回帰路線というものが、
国民には非常に権力主義的に見えて反発を招いた
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私は、
安保騒動というのは大きな見当違いだったという説なんですよ。
岸さんの「回帰路線」への反発はともかく、
先ほどもいったように
条約の改正はたいした内容ではなかったのに、
大騒ぎした……
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フランス人は国民投票が好きですが、
英国人は反対です。
英国の政治家には、
国民の複雑な利害の中から妥協を見いだすのが
我々プロの政治家のつとめだという
伝統とプライドがあります
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いつもは
「命令に従え」
と言われているのに、
銃を使うときだけは
「おまえ一人の判断でやれ」
という状況は、
隊員にとってはつらかった
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日本人はポーカーが下手だそうですね。
我々はブラフとか脅迫ということは、
苦手なんじゃないんだろうか
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ナイ自身、私にしばしば
「中国っていうのは
敵視すれば敵になってしまう。
だから我々がそういう
不用意な態度を取ることは適当ではないんだ」
と言ってましたが、
その通りだと思いますね
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選挙区の都合さえつけば、
もともと一緒になっていい政治思想の人が多いのではないか
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私はそもそも自民と新進がなぜ分かれたのか、
今でも分からないのです。
当時の責任者として
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改憲か護憲とかいうただ一点で
二大政党に整理されてしまうことは、
日本のために残念だと思うのです
〜 『対論改憲・護憲』(中曽根康弘との共著) 〜